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クイズすごろくかぶーるデザイナーズノート-制作秘話-

デザイナーズノート

初めまして。ボードゲームショップあそびばの「あまね」といいます。今日は「クイズすごろくかぶーる」の制作経緯をまとめてデザイナーズノートというものを書いてみたいと思います。

まず「クイズすごろくかぶーる」をご存知ない方はこちらの動画をご覧いただけたらと思います。

■作ることになったきっかけ

私は夫「なおき」とボードーゲームが遊べて買えるお店「ボードゲームショップあそびば」を経営しています。藤沢市湘南台というところで始めて、現在4周年を迎えました。(2025年4月現在)

あそびばでは月に1回ほど自作ゲームのテストプレイ会というものをやっていまして、ある時そちらにイオピーゲームズのいまささんがいらっしゃいました。イオピーゲームズさんはゲームマーケットにも何回も出展されているサークルさんで、この日はあそびばに初めての訪問でした。その時持ってこられたのが「クイズすごろくかぶーる」の原型「クイズF-ONE GPX」でした。

「クイズF-ONE GPX」の卓を調整するときに、いまささんが「人数が多い方が嬉しい!」とおっしゃっていたので、急遽あそびばのスタッフのわかなちゃんにも入ってもらい、5人でやることになりました。

メンバーはこちら
・いまささん(イオピーゲームズ)
・外さん(ハコニワ観光局)
・あいちゃん(あいゆうハーツ)
・あいちゃんママ(あいゆうハーツ)
・わかなちゃん(あそびばスタッフ)

するとゲームがはじまってすぐ、「クイズF-ONE GPX」の卓がめちゃめちゃ盛り上がっていまして、私は気になって覗き見しながらルールを把握。

えっかぶったら進めないって、めっちゃ面白いやん

と魅力的なルールにとっても興味が湧きました。そしてテストプレイ会が終わった後であそびばスタッフのわかなちゃんに聞きました。「めっちゃ盛り上がってたけど、楽しかった?」すると「めっちゃ面白かったです!販売されたら買いたいです!」えっそんなに?!わかなちゃんは本当に気に入ったボードゲームしか買わないタイプの子で持っているゲームも「宝石の煌めき」や「バトルライン」など数個のみ。その中のラインナップに入るほどなんだ!と益々興味が湧きました。

帰ってから夫のなおきにも「クイズF-ONE GPX」のルールを話して「めっちゃ面白くない?!うちで出させてもらえたらなぁ」という話をしました。遊んだことないのに。笑 そこからはすぐイオピーゲームズさんに連絡し、トントン拍子で出版に向けての話が進んでいきました。

■フレーバーの変更

F1ゲームのままいくか、すごろくに変えるかは悩みましたがすごろくにすることにしました。理由としては以下の通りです。

・「すごろく」と聞くとゲーム初心者の人もイメージしやすい
・プレイスペースを経営していると「すごろくゲームありますか?」とよく聞かれるが、おすすめできるゲームが少ない

かぶーるが発売されてから「すごろくゲームありますか?」と聞かれた時におすすめとして持っていきやすく、多くの人に遊んでもらえている気がしていて、すごろくにしてよかったなと思っています。

■イラストレーターさんへの依頼

このゲームを作った時に多くの方に聞かれたこと、それが「なんで旧桃鉄を描いた土居孝幸さんにイラストお願いできたの?」でした。

急にめっちゃ巨匠にお願いしたやん、みたいな感じだったんだと思います。

このゲームのイラストレーターさんを依頼する時に、まず店内を歩き回ってなおきとどんなイラストがいいかを考えました。そこで私の目に留まったのが「DOIN’Sどいんズ」。土居さんのアートワークブックです。

なんで店内にどいんズがあったかというと、15年以上前に叔父からもらっていて、ボードゲーム屋さんに置いてたら見るひともいるかなーという気持ちでした。私の叔父の関野ひかるはゲームデザイナー&漫画家で、早稲田の漫画研究会出身です。代表作↓

漫画研究会には土居さんもいらっしゃり、当時金八先生の漫画を描いていて売れていた叔父さんは後輩にあたる土居さんにアシスタントをお願いしたりしていたそうです。(なんて贅沢!)

そんな感じでどいんズを目にした瞬間私の中では土居さんに描いてもらえたら!という気持ちになりました。すごろくという、わいわいした雰囲気に桃鉄の感じがぴったりだと思いました。

なおきは「え?そんな描いてもらいたいって思って描いてもらえるもんなの?」と懐疑的でしたが、私は叔父さんにすぐに電話。そうするとトントン拍子で話が進み、無事描いてもらえることになりました。

土居さんにとって初めてのボードゲームイラストで、色々と無茶ぶり(タイトルも書いて欲しい!)などをしてしまいましたが、大変だったけど楽しかったよと言っていただけました。土居さんとお仕事ができてとっても嬉しかったです。

■タイトル

タイトルも悩みました。かぶったら進めなくなったりすることを、タイトルを聞いただけで伝わったらなーと思い、なおきと2人で考えたのは「すごろくクイズ かぶっちゃやーよ」でした。なんか古い感じですね。笑

で、そのまま土居さんの事務所にお伺いした時に「かぶっちゃやーよで行こうと思ってるんです」と言ったら「なんか古風だね?笑」と一言。

土居さんに「なんか良いタイトルありますかねぇ?」と無茶振りをすると、土居さんがすぐ「かぶーるとかは?どっかの国の名前とかぶっちゃうのだけ気になるけど」とおっしゃり、「おおおーー!めっちゃ良いー!」とその場で即決しました。

元々「かぶっちゃやーよ」は被ったら嫌なように伝わりそうなのも気になっていました。被っても嬉しい人もいるし悲しい人もいるゲームなので「やーよ」は違うなぁと。

素敵なイラストだけでなく、素敵なタイトルまで作ってくれた土居さんには感謝しかないです。

■ルール調整

F1ゲームからすごろくに変更することになり、イオピーゲームズさんも新しいルールの提案などをしてくださりながら、私となおきがルールの調整を行いました。調整した箇所は以下の通りです。

・前作はF1をモチーフにしたレースゲームであったため、3位を決めるまでプレイしていたのを1位が決まった時点で終了に変更。
・前作は被られた時に進む歩数がすごろくボードに置いた歩数分だったが全て1歩に統一。
・前作では同じマスには止まれないルールだったが、止まれるルールに変更。
・マスの効果の追加や変更。
・トップの足を引っ張る役回りの「かぶかぶ」を追加。

特によかったと思った調整は「同じマスに止まれる」ルールと、「被られた時は常に1歩」というルールです。これによりゲームバランスも調整され、ルールもシンプルになったと思います。なおきの発案から2人でずーっと考えて、イオピーゲームズさんにこうしようと思うんですがと言った時に「いいですね!ゲームバランスも良くなりました!」と言っていただけて嬉しかったです。

「かぶかぶ」の追加はイラストレーターさんが土居さんに決まってから、なおきが提案したアイデアでした。ボンビーみたいなキャラが出てきたら盛り上がるのではという感じで導入。結果、トップとの差が開きすぎないとってもいいスパイスになったと思います。なおきナイス!

■DTPと英訳とアニメ動画の外注

実は見切り発車でスタートしたため、ゲームマーケット秋に間に合わせる!というのがとてもタイトなスケジュールでした。すごろくマップやサイコロボード、カードデザインは私が作成、ルールブックの細かいデザインや箱裏のデザイン、アイコンなどはあそびばの元アルバイトの辻ひめのちゃんが特急で素敵に仕上げてくれました。

世界中の人に遊んで欲しいという気持ちから英語版カードも作ることになりました。英訳は私の姉がペラペーラ&姉の夫がアメリカ人という好条件により姉と義兄に依頼。こちらも素敵に仕上げていただきました。「謝礼いくらでやってくれる?」と義兄に尋ねると「卵入りのサンドイッチくれるなら」と言ってくれました。それでいいの?!とお願いしましたが、結局まだ卵入りのサンドイッチをご馳走していない卑怯な義妹になってしまっています。今度ご馳走するね。恵まれた環境に感謝です。

ゲームマーケットの宣伝用にアニメーション動画の作成もひみつりさんに依頼しました。こちらもとっても素敵に仕上げていただき、土居さんにすぐ見せたところとても気に入っていました。「保存して何回も見たいんだけど、どうやったら保存できるの?」と聞かれて土居さんの携帯にも無事保存できました。土居さんも喜んでくれて、ルールがすぐわかるので作ってよかったです。

■最後に

ひょんなことから始まった「クイズすごろくかぶーる」がこんなにもたくさんの方に手に取っていただけることとなり、たくさんの方に面白かったよ!と言ってもらえてとても嬉しいです。

とっても長文になりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。

ゲームマーケット2025春(両日C13)には「クイズすごろくかぶーる」の拡張カードを出す予定ですので、よかったらみなさまお手に取っていただけると嬉しいです!基本セットも僅かながら持っていけると思います。

ゲームマーケット2025春でお会いできるのを楽しみにしています。

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